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総合トップ江ノ電ファンページ江ノ電博物館当方見聞録第3章 第2回 シンボルから明日の光へ(平成16年4月号掲載)
当方見聞録

第3章ふたつの江の島展望灯台~展望灯台新装開業1周年によせて~

平成16年4月号掲載

第2回

シンボルから明日の光へ

第3章

開業に先立ち新江の島展望灯台は、当社開業100周年記念事業のフィナーレとして14年12月31日から翌15年元旦にかけて実施された点灯式において初点灯されましたが、まさにそれは、江ノ電の新世紀、ひいては湘南の新時代を告げる曙光でありました。
風光明媚な景観に加え、交通機関やレジャー施設の充実などにより、江の島界隈は全国的にも有数の観光地として発展を続け、昭和30年代中期から40年代初頭にかけてピークを迎えました。しかし、その後の来島者数の漸減傾向は否めず、現在でも神奈川県や藤沢市をはじめ地域団体が一体となって活性化対策の検討が重ねられています。さらに、江の島のシンボル的存在にある展望灯台も潮風を受けながらの半世紀で老朽化が進み、新しいシンボルの建設が必須となっていました。


こうした背景のもと、建て替えが決定した展望灯台は【景観・自然への配慮】、【公共的な利用価値の追求】、【地域の観光振興】を基本コンセプトに平成14年5月に着工され、平成15年4月29日に開業いたしました。なお、グラスを彷彿させるその独特な形状と色は、コンセプトが示すとおり、江の島の景観を損なわないようにとの配慮から設計されたもので、第48回神奈川建築コンクール一般建築物部門において奨励賞を受賞しています。

開業後の展望灯台は、藤沢市のサムエル・コッキング苑とともに江の島の新しい観光スポットとして好評を得ているとともに、海洋航行の安全維持、情報発信基地、防災拠点としても活用され、本年4月には1周年をむかえます。そして、旧展望灯台が、戦後の混乱期に平和の光を放ったように、新展望灯台もまた、長引く不況を背景に混沌とする現代社会に光明をもたらす明日の光となることでしょう。

『江ノ電の100年』は、開業100周年記念事業の一環として平成14年9月に発刊された江ノ島電鉄のオフィシャル史料です。400ページにわたるその構成内容は、鉄道以外の事業にも焦点をあてることにより社史としての平準化をはかり、新たに発掘された史料や貴重な写真も多数収録されております。